長谷村工房

オートバイ等の作業備忘録、兼日記。

オフロードと私

さて、前回の日記でお話ししたように、オフ車のCRF125Fを買いました。

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オフ車と言いましても、公道走行不可のコンペティションモデルです。
しかしコンペモデルとはいえ、こちらはファンバイクです。言わずもがなガチ競技用ではなく、入門用のモデルです。

 

こちらを選んだ経緯を、まずは私のオフロード経歴からお話ししたいと思います。

 

 

 

私はオフ車、いわゆるトレール車を所有した経験はあまりありません。
私が大学生の頃に始めて自分で購入したオートバイは「GT50」というヤマハの古いトレールバイクでしたが、これでオフロードを走る事は有りませんでした。

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この頃はとにかくオートバイで走ることが純粋に楽しくて、友人たちとツーリングに行ったり、無謀にも埼玉県から長野県まで里帰りしたりしました。当然下道で。
まずオフロードと言う所を走ろうと思ったことがありませんでした。アスファルトの公道で十分楽しかったので。

 

初めてまともにオフロードを走ったのは就職してから。友人から川越にある「オフロードヴィレッジ」に行こうと誘われたからです。
オフロードヴィレッジ、通称オフビでは「モトクロスごっこ」というイベントを定期的に開催しておりまして、それに一緒に参加しようとのことでした。
もう10年ほど前になります。関東では珍しく雪が吹き荒れる中で、凍えつつもテンションがオーバーフローして一日走りまくった覚えがあります。
二十代の若さ万歳。
ちなみに現在の私は三十代半ばです。もうマヂ無理。

 

しかし、その時点ではオフ車購入までは行きませんでした。


ロングツーリングの為の航続距離や積載性のため、オフ車を選ぶことは無かったからです。

そして時が経ち、セカンドバイクを持つことに違和感を覚えなくなるという駄目な方向に順調に成長する私。
ある日、会社の同僚からヤマハの「TW200」を購入することになりました。不動車ながらも、TWにしては珍しくフルノーマルという事でした。
早速修理をして、セカンドバイクとして元気に公道を走っていました。

 

そんな中で別の同僚が「モトクロスを始めた」という話を聞き、あのモトクロスごっこでの思い出が蘇りました。
「TWも(一応)オフ車なんだから、行ったらいいじゃない!」と思い立ち、普段はミニバイクを積んでいるスズキのエブリイに無理やりTWを詰め込みました。

 

 

 

 

そして私は再びオフビに訪れたのです。

 

 

 

 

TWでは、初めてジャンプをしました。その時は着地前にステップから足がふわりと離れ、大変怖い思いをしました。
「ぬかるんだ路面なら、このファットタイヤの出番やで!」と雨上がりのモトクロスコースに挑むも全然無理で、コース一周できずに帰ったこともありました。

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エブリイに詰め込むのが大変だったので、車も思い切って日産のNV350 キャラバンに買い換えました。貯金は空になりました。

 

 

そんな思い出が溢れるTWでしたが、そんな無理な使用が祟ったのか壊れました。
プラグに火が飛ばなくなったのです。

 

「安いところから交換していこう」と思い、


1.プラグ
2.イグニッションコイル & ハイテンションコード
3.点火コイル
4.CDI


と、順に交換していく予定でした。
しかし点火コイルの交換の時に問題が起こりました。
コイルの固定ネジが異常に硬く、ねじが舐めるわネジの頭がもげるわの大惨事です。
クランクケースカバーも欠品ですし、中古エンジンを購入してまでこれでオフロードを走るのかと言われれば……。

 

最終的に修理は諦め、入れ替えでホンダの「XR250」が我が家に来ました。

ちなみにTWは知人に引き取られ、無事に修理されて現在も元気に走っています。

 

 

 

さて「ニューマシン(2006年式)でバリバリ走るぜー」と意気込んだのですが、車への積み下ろしが結構大変です。

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車はNV350になっていますので、エブリイに積んでいたころの様にフロントサスをタイダウンベルトで超圧縮したり、シートの間にタイヤを突っ込んだりしていないので全然手間は掛かっていないのですが……。


重いです。

 

まぁ装備重量133Kgでなに重いとか言っちゃってんのって話なんですが、結構積み降ろしって大変なんです。
なにせ筋トレなんぞ碌にしていない三十代男性ですので。仕事も別にガテン系と言う訳ではないですし。
基本的に、載せるときはエンジンを掛けないと載せられないのです。

 

 

そしてパワーもあり過ぎるのです。

 


これも最高出力28PSでなに言っちゃってんのって話なんですが、(私的に)転ぶのが当たり前のオフロードで28PSは多すぎます。
ヘタレの私は、クローズドコースでも「楽しく走る」のが大前提です。「速く走る」のは二の次です。「走るパイロン」の異名は伊達では無い。
ミニバイクでもモトクロスでも、ミスって転んで「痛ぇwww」で済むレベルで楽しみたいのです。

 

どうせモトクロスコースを走るようにするなら保安部品の付け外しもめんどいし、一度積んでしまったら降ろすのめんどいし。
しかもメインバイクあるし。
もうコンペモデルのモトクロッサーで良いのではないかしらん?

 

と言う訳で、


公道は走れなくていい → コンペモデル
馬力は大していらない → 排気量は原付レベルでよい


という結論に達しました。


そして色々検討して車体は「CRF150R」「CRF125F」「RR4T 125」の三台に絞られました。
あ、2stも検討したんですが、友人の所有するKWSKの「KX85」に乗らせてもらった結果、私には御しきれないと判断しました。
85ccで20PS超えるとか、頭おかしいんじゃないのか。

 

 

 

「CRF150R」はガチモデルです。

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出力は公表されていませんが、KX85と同等のクラスで走ることが出来ると言われます。
4stで重いとは言われますが、車重は90Kg以下です。市販車とは比較になりません。なによりもパワーの出方がとても扱いやすいです。4st万歳。


しかしメンテサイクルが。人によりますが……。
年に一度は腰上オーバーホール、二年目はエンジン全バラ
オイルはMOTUL 300Vを、一度レースを走ったら交換。

 

……と、手を掛ければキリがないですが、ちょっと私には荷が重い。
そこまで頑張れる自信がないし、レンタルで乗ってみた感じでは少々パワーを持て余します。
サスペンションは素晴らしいのですが……。流石ガチモデル。

 

 

 


お次はイタリアのBETA「RR4T 125」です。

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聞きなれないメーカーですが、トライアルを中心にしたオフロードバイクのメーカーです。
イタ車は故障が……」とお考えのあなた。大丈夫です。エンジンはヤマハのTT-R125です。
こちらはコンペモデルではなく、公道走行可のモデルです。


輸入車らしく少々割高ですが、選択肢の少ない公道走行可のフルサイズトレールなので、公道走行を視野に入れている方はいかかでしょうか。
近くのお店の主催で試乗会があったので、モトクロスコースにて試乗してきました。

 

結論としては、私にはちょっと合いませんでした。

 

車格は250トレールと同じくらい。いい塩梅です。
パワーはやはり少なく、回転を上げても「ふーん」で済むレベル。スロットルがかなりロースロットルのようで、手首を全開に曲げないと上まで回転が上がりません。まぁこれは交換すれば済む話ですが。


問題はサスです。ちょっと硬い。
CRF150Rは大人が乗っても問題ないバネの強さがありますが、動きはとてもスムーズでした。
荒れた路面でも車体がバタバタしにくく、バネとダンパーの塩梅がとてもいい感触でした。


しかしこちらは単純にバネが固いのかダンパーが固いのかわかりませんでしたが、段差で結構車体が暴れます。
私の速度域の問題もあると思いますが、しっくりきませんでした。
250のガチモトクロッサーに乗っている同僚が試乗した感想は、「公道用だけあってサスのストロークが足りない。」と言うものでしたので、どちらにしろサスの限界性能は低めのようです。
お店の人も「RR4T 125はファンバイクだからねー。」と仰っていたので、そこは仕方ないと思います。
「まずは自走で林道やダートを走ってみたい!」と言う人には悪くない選択肢だと思いますので、検討してみてはいかがでしょうか。

 

 

 

さて、いよいよ「CRF125F」です。
私的に「CRF150R」の問題点は、値段が高い(車体、整備費共に)事とパワーが少々あり過ぎることです。まぁパワーは慣れの範疇だとは思います。扱いやすいパワーの出方ですので。
「RR4T 125」の問題点はサスがしっくりこない点です。

 


それに対して「CRF125F」はすべて問題解決しているか?と言いますと、全然そんなことは無いです。
値段は比較的安いのでおkです。パワーも今の私には十分です。メンテナンス頻度はファンバイクらしく市販車より多少気を遣えばいいくらいなので、これもバッチリ。

 


問題は車格とサスペンション性能です。

 


レンタルで走った感じですと車格はやはり小さいので、ポジションは少々窮屈です。ちなみに私は身長170cm位で、足は短め。体重は約60Kgです。

サスペンション性能は、ヘタレの私が調子に乗ってジャンプをすると、底付きします。
車体の想定体重がMAX60Kgなので、私でぎりぎりな訳ですから仕方ないです。

 

ではなぜこれを選んだか?と言いますと、これはマネーを掛ければ何とかなりそうだったからです。
いや、お金を掛ければ大概の事はどうとでもなりますが、「比較的少ない金額でどうにかなりそう」だったからです。


サスの底付きは、一番お金がかからないのはフォーク油面のアップ。いわゆる空気バネの増加。こちらはフロントのみになってしまいますけどね。
次はアフターパーツが出ている、ハードスプリングへの交換。こちらは前後共にDRCから出ています。
更にやるならリバルビング加工でしょうか。まぁここまではしないと思いますけど。

 

ポジションが窮屈な件については、上半身はハンドルスペーサーによるハンドルの持ち上げ。場合によっては、トップブリッジの変更。
下半身はシートをアンコ盛りしてやれば、どうにかできそうです。

 

 

程々の所で諦めれば、諭吉さん10人位でどうにかなるのではないでしょうか?

そんなわけで「駄目なところは交換すればいいべ?」と超楽観視して、購入に踏み切りました。

 

すでにモトクロスコースデビューは果たしましたので、「CRF125F」の詳細なレビューはそのお話と共にできればと思います。

それでは、また。