長谷村工房

オートバイ等の作業備忘録、兼日記。

XR250で貧乏パニア 製造編 1/2

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さて、本日紹介するのはパニアフレームデスクの作り方です。
基本的にはインターネットとホームセンター、後はマネーとやる気が有ればできます。
まぁこんだけあれば、大体の物は出来ますけども。

 

まずは骨組みとなる曲げパイプと、箱を固定するための板です。
こちらはネット上で発注しました。
ツテがある方は、お近くの鉄工所などが良いんじゃないでしょうか。

発注したのは「曲げ加工.com」の「谷川工業」さん。
発注した金属パイプの曲げ加工は勿論、金属板の曲げ加工や穴あけ加工をしてくれます。
簡単な形状ならば、オーダーフォームから数値を入力するだけで簡単に見積もりや発注ができます。

今回は多少複雑な形状のため、「データ支給 オーダーメイド加工」で発注しました。
図面をFAXかCADデータ(製図ソフトで作図したデータ)を送ることで、希望の加工をしてもらうことが出来ます。
CADデータを送るのが一番なのですが、そんなものは持っていないので手書きで図面を書きます。
送れるデータ形式は「ご注文ガイド」によると「DXF/DWG/JWW/PDF」とあるので、手書き図面をスキャンしてからPDFに変換します。
送信したデータは、次の2点です。

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タダのコの字ではなくて凸の様な形になっているのは理由があります。
箱は液晶金具によりパイプフレームに固定しますが、この液晶金具に記載されている耐荷重は25Kgです。
普通なら全然OKなのですが、なんせ走っているオートバイで使おうと考えている訳で、そのまま鵜呑みにするわけにはいきません。
なのでこの金具は位置決めガイドの様に考え、しっかりと荷重を受け止めるのはパイプの役目としました。
そのためにパイプに箱が乗っかるように、下に張り出すような形状にしました。

 

 

さて、いかにも素人の図面なので色々怪しいです。細い説明を備考欄に記入しておきました。
皆さんは図面だけで分かるように、各種寸法は面倒くさがらずにきちんと記入しましょう。
寸法が記入されていない部分と言うのは、加工者の解釈により如何様にもなります。
誤った形状で加工されても、その場合は文句は言えないのです。書き方が悪いのです。

 

 

そんなことはさておき、以下が備考欄の文章です。

 


パイプの曲げ加工と板の穴あけ加工の見積もりをお願いします。

曲げパイプの詳細
・ステンレス Φ21.7×2.0 ヘアライン 仕上げ不要
・記入した寸法はすべてパイプ中心からの寸法です。
・曲げRはすべてR50です。可能であれば、下側(括弧つきでR50と記入してある方)はR30でお願いしたいと思いますが、金額が増えるようであればR50でお願いします。
・左右対称ですが、精度はそこまできっちりしていなくても構いません。

板の穴あけの詳細
・板厚 3.0~3.5
・材質は鋼材系であれば、ホームページで確認させていただいたボンデ、ZAM、ステンレスのどれでも構いませんが、一番強度の高いものでお願いしたいと思います。
・穴はボルトを通す穴なので、外側8か所はΦ6.2~6.5、中心側6か所はΦ8.2~8.5の範囲で、貴社の都合の良い穴径で構いません。
・穴位置の公差は±0.5程度で十分です。
・上下左右対称の品物です。

以上の品物を、2点ずつお願いします。

不明な点などがある場合は、平日の日中は電話に出ることが難しいため、メールでお知らせいただいた方がスムーズに返事が出来るかと思います。

よろしくお願いします。

 

 


ここまで。

ちなみに工業的には角に丸みを付けることを「Rを付ける」と呼びます。
角に丸みを付けるときに、その丸みの大きさを「半径○mmの丸みを付ける」と言う意味で「R○」と表記することからです。
知っておくとドヤ顔できるやもしてません。無理かもしれません。
勿論、図面に「R18」と書いてあっても、卑猥な意味ではないです。大真面目です。

上記の「曲げRはすべてR50」と書いているのは、「パイプの角は、半径50mmの丸を描くように丸く曲げてください。」と言う意味です。

 


その後、何度かメールでやり取りをして、一週間ちょっとで届きました。

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結果としては、曲げパイプの曲げRはすべてR50になりました。R30は無理なようです。いや、無理をすれば出来そうですが、強度で不安が残ります。
あと、一本のパイプからこの形状を作るのは無理とのことなので、一ヵ所が溶接になったようです。
まぁどこが溶接してあるのか、見た目では全然わからないのです。凄いね!

 

板加工の方は、素材はステンレスの厚さ3.0mm、穴はΦ6.0とΦ8.0で加工されてきました。
板の穴加工はプレスによる穴あけだそうで、そのための金型がこの寸法なんだとか。
ドリルもあるのでΦ6.2なども出来るそうですが、値段が少々上がるそうです。
この穴はボルトを通す為のバカ穴(工作精度が大体で良い穴の事)なので、多少大きい分には良いだろうと考えて、Φ6.2~6.5と注文しました。
工作精度によっては、Φ6.0ではM6のボルトが入らないことがあるためです。
しかし今回は結果的には問題ありませんでした。良かったです。

 

気になるお値段は以下の様になりました。

 

商品1 :SUS HL Φ21.7×2.0 1箇所溶接仕上げ 曲げ箇所仕上げなし R50にて
2×13,500円
商品2 :SUS 2B t=3.0 390×220 穴あけΦ6×8箇所 Φ8×6箇所
2×4,100円
商品合計 :35,200 円
消費税 :2,816 円
送料・梱包代 :1,972 円
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総合計 :39,988 円


……思っていたより高かったです。
とは言え他にツテも無いですし、出来た製品はとても良い感じでしたので満足です。

 

少々長くなりますので、次に続きます。

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